Live Life to the Fullest どこにいても人生結果オーライ!

海外生活(アメリカ・ドイツ・イギリス)20年目、Proseccoの日々観察記です。2021年夏ヨガティーチャートレーニングに挑戦しました!

カザフスタン・アティラウの旅の記録④ビジネス編

 石油資源が豊富で石油資源関連ビジネスが盛んなカザフスタン

f:id:Prosecco:20191205002712j:plain

カザフ語で表記された「アティラウ」と都市のシンボルマークである石油採掘ポンプ

カザフスタンの経済は主に鉱物資源(石油・ガス)。その中心地となっているのがアティラウで、市のスローガンも「Oil Capital 石油の首都」と、豊富な石油資源をアピールしています。国営企業や外資企業、大小はじめ、石油・ガス関連企業がこの都市に集積しています。

カザフスタンの主要輸出国は1位ロシア、3位が中国と国境続きの超大国となっていますが、なんと2位の貿易相手国はイタリアなんです!だから人口20万人程度に小さな都市にもかかわらずイタリア領事オフィスがあり、ホテルのミニショップにもイタリアの食材が売られているのです。

 

prosecco.hatenablog.com

またカザフスタンは世界銀行による「Doing Business(ビジネス環境)」 2020ランキングでは、世界第25位(2018年は28位)、とCISの中では28位のロシアを抑えて第1位、29位とトップ30に入った日本よりも高評価をされているほど、意外にも外資・外国人が新規ビジネスを起業しやすい環境が整っています。

f:id:Prosecco:20191205003306j:plain

石油採掘ポンプの立派なオブジェ

アティラウでは主に3つの大きな油田があり、それぞれ超巨大外国企業が関わっています。

  • NCOC - North Caspian Operating Company -- カスピ海のカシャガン油田開発・生産に従事、シェルとエクソンモービルが筆頭株主。
  • TCO - Tengizchevroil -- カスピ海北東沿いにあるテンギス油田開発・生産に従事。シェヴロンが筆頭株主。
  • KPO - Karachaganak Petrolium Operating B.V. -- 北西部のカラチャナガナック(長い、^^;)油田生産に従事。エニ(イタリア)、シェルが筆頭株主。

いずれも国営石油ガス公社のKazMunaiGasが株主として経営に参画していますが、外資系と認識されており、現地の若者は英語を学び技術を身につけこれらの国際的企業で働くのが夢だそうです。やはり外資系は華やかで高いお給料のイメージがあるのは全世界共通ですね。

今回の出張の目的はマーケットリサーチ的なもので現地の空気を生で感じ取ること、ネットワーキングを通じて最初の第一歩を踏み出すことが目的でした。ラッキーにも今回はKazMunaiGas、NCOC、大手オペレーターの方々との面談をさせていただき、現状を探ることができました。

f:id:Prosecco:20191205003344j:plain

f:id:Prosecco:20191205003421j:plain

f:id:Prosecco:20191205003451j:plain

KazMunaiGasとNCOCという超巨大企業で面談!

また、私たちは在イギリス企業であり、出張前からイギリス・スコットランド政府のアドバイスを受けていました。せっかくの機会なので在アティラウの英国通商省のヘッドともアポを確約。「今日は本当は休みなんだけど、あなたたちにぜひともお会いしたくって」と歓待していただきました。もちろん、有料サービス(OMIS)を受けているから、というのもありますが。。。

Overseas Market Introduction Service(OMIS)

英国通商省が提供する有料の外国市場進出サポートサービス。ターゲット国の産業展示会や現地企業の紹介を行ってくれる。1回につき600(税抜き)ポンド。

f:id:Prosecco:20191205003627j:plain

f:id:Prosecco:20191205003743j:plain

イギリスの企業として訪問しているためもちろん英国通称省へもご挨拶。

カザフスタンでカザフスタン人と仕事するにあたり注意すること

たった一週間ですが、カザフスタン人、ロシア人、そしてイギリス・イタリアの駐在員と話しをして感じたことをいくつか記録しておきます。

  • 英語を話せる人は基本人当たりがいいが、欧米人的な軽くフレンドリーな対応は期待できない。あきらかに男性社会。

海外生活(欧米)15年を過ぎ、また日本でも「初対面は笑顔で対応」という文化に慣れている私にとって、最初の挨拶がない、名刺交換がない、笑顔がない、というのは異文化体験でした。また、もともと男性優位でありまたビジネスもほとんど男性なので、女性というだけなのかどうかわかりませんがまったくもってスルーされた時もありました。日本の場合だと、いくらまだまだ男性ビジネス社会であるとはいえ、ミーティングの場に女性が参加している場合、あからさまに無視されることはないと思います。ある意味衝撃でした。

名刺交換がなかったことについて、隣国ロシア人の友達に聞いたのですが、ロシアやCIS国でのビジネスにおいて名刺交換文化が必ずも浸透しているわけではないようです。名刺を持てるのは企業トップのみで平社員はともかくあまり外部と接触のない課長クラス程度であれば名刺が支給されない場合もあるとのことでした。友達もロシア国営石油企業でとある部門のスーパーバイザーをしていたそうなのですが、名刺を持ったことがなかったそうです。

  • そして以外に英語を話せる人が少ない!

外資系企業で働いている人の英語力も正直イマイチでした。ある程度の会話は問題ありませんが、細かな意思疎通はなかなか厳しいかもしれません。これは日本でビジネスしようとしている欧米企業人も同様に感じていることかもしれません。日本は先進国でグローバル企業が多いにもかかわらず担当者の基礎英語力が低い、、、。英語が全てはないですが、やはり英語を母国語としない国の人にとっては大きな課題であるとは思います。(だからと言ってロシア語を勉強する気もせず、また現地駐在員も英語が話せれrばそれでよし、といった感じでした。)

  • アティラウ市場は基本石油ガス産業一本頼み!

第一次産業に頼りすぎており、経済の多角化多様化が遅れているということを体験するのに1週間で十分でした。将来のパートナー候補企業とのミーティングを行いましたが、どの方も「今は入札が終わってしまった」「来年4−5月に新たな入札があると思う」と、石油ガスオペレーターの入札待ちといった状態です。その理由で、私たちは現時点ですぐに契約に結びつくようなお仕事の話はできませんでしたが、逆を返せばアティラウ進出まである程度時間猶予ができた、と前向きにとらえてはいます。ただ、進出するにせよ、初めからいくつかの産業に対してサービス提供ができるようにビジネスプランを練る必要があると改めて思いました。

  • 旧ソ連体質が抜けず原則「指示待ち」

イギリス人の駐在員で人材派遣企業トップの方の話ですが、とにかくカザフスタン人は積極的にアクション(イニシアチブ)を取らず常に指示や確認待ちでなかなか仕事が進まない、とのことでした。これは旧ソ連の計画経済の影響からか、お上から言われたことを忠実に行い対価を得るというメンタリティから脱却できていない、ということが理由だそうです。一般的に誰も責任を負いたくない、という雰囲気が流れているあり、何かにつけて上司の承認が欲しいようです。例えば、彼の部下の極端な例として、現地価格1円程度の鉛筆一本買うにも「買って良いか」との報告があり、出張や休みのときでただでさえメール受信箱がいっぱいになるのに、しょうもない報告・承認依頼メールは本当に嫌になる、とおっしゃっていました。ただ仕事上の自己責任を回避する習性は、日本もスコットランド、カザフスタンも程度の差はあれ似たような気がします。

  • 話は鵜呑みにするな。疑ってかかれ。

カザフスタンだから、というわけではなくこれは万国共通だと思います。特に、ビジネスにおいて、調子のいいことをいう人、には十分に慎重に接する必要があります。英国通商省のヘッドにも「基本的にはみないい人。ただBe Sceptical(疑ってかかれ)」とのアドバイスをいただきました。実際に、最初から最後まで親身になってアドバイスしてくれた人(A)がいるのですが、スコットランドに戻ってからAと前職で面識があるコンサルタントに話をしたところ「Aは前職で違法に近いことを行い前職を首になった。ぼくは一切関わりたくない」と告白されました。。。確かに思い起こせば、辻褄が合わない話もいくつかあり、やはり慎重に慎重にビジネスパートナーを見つける必要があります。

実はインド人にビジネスでひどい目にあわされ、現在も100%解決せずフラストレーションが残る日々を過ごしています。これについてはまた後日恨みつらみ談を書きますが、その失敗によって得た教訓を生かしつつ賢明に次のステップを決断したいと思います。

f:id:Prosecco:20191205003518j:plain

ビジネスミーティング。大きな未来に向けての最初の第一歩。

f:id:Prosecco:20191205233416j:plain

ホテルでもビジネス関連のドキュメンタリー鑑賞、勉強は怠らない

 

 

PVアクセスランキング にほんブログ村